毎号ひとりのドナー登録者さんにフォーカスし、その方の日常や支援の想いを、写真家・幡野広志さんの視点で切り取っていただく企画。撮影いただいた写真は、骨髄バンクニュースの顔として表紙にも採用されています。ふだんは見ることができないありのままのヒーロー(登録者)の姿をご覧ください!
通っている大学の教室にて、支援の想いや自身の将来について話す林さん。
都内の大学でサステナビリティについて学んでいる大学3年生。骨髄バンクのことは幼い頃から知っており、18歳になったらドナー登録をしようと決めていた。16歳から献血に通い始め、現在までに30回以上の献血経験あり。
応援しているアーティストのイベントのためによく通うというタワーレコード渋谷店にて。
推しているONE N' ONLYのCDを手に取り、熱く語ってくれる場面も。
協力:タワーレコード渋谷店
たくさんのなんとなくに
命を救われてる
メディアで取り上げられる大学生は学業やスポーツで功績をあげたり、高い問題意識で社会活動をしたり、普通とはちょっと違う人が注目されがちだけど、林さんはそういうタイプの大学生ではない。
「なんでドナー登録をしたんですか?」と質問をすると、本人もきっかけを覚えていないぐらい、なんとなく登録をしたようだ。通っている大学も学部もとくに大きな理由があって選んだわけでもなさそうだ。
塾講師のバイトをして、推し活をたのしんで、お父さんと一緒に自宅でお酒をのむそうだ。林さんがこの日の取材でいちばん熱をこめて語っていたのが推している男性グループ『ONE N' ONLY』のことだった。「人の命を救いたい」ぐらいのメディア映えする答えを林さんがしてくれたら、いま書いてるこの原稿も楽になるのだけど、林さんは日本の古今東西にいる普通の大学生だ。
なんとなくドナー登録をすることも、大学になんとなく通うのも、推し活をするのもひとつひとつは普通なんだけど、普通が重なることで普通とはちょっと違う「おもしろい人」になる。普通の人のなんとなくの善意に、ぼくを含めて血液疾患の患者は命を救われている軽い気持ちで人の命を救えるわけだからありがたいことだ。
写真・文 幡野 広志
がん患者の率直な想いをブログやSNSで発信している写真家。34歳の若さで血液がんの一種である多発性骨髄腫を発症し、余命宣告を受けた経験を持つ。
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22歳で骨髄提供を経験したユースアンバサダー
ドナー登録が「すごい」と言われない世の中に
きっかけは
恩師の影響で始めた献血
高校在学時に、憧れていたラグビー部の顧問が献血をしているという噂を聞きつけ、自分もすぐに献血をはじめたんです(笑)献血ルームを訪れた日、たまたまスマホの充電が切れていて手持ち無沙汰でぼーっとまわりを見渡していたのですが、その時に目に飛び込んできたのが骨髄ドナー登録の案内。「人の命が救えるなら」と、献血のついでといった感じで、ほんとに軽い気持ちで登録をしました。
提供後すぐにした決心
術後の入院期間中も、気になってついつい骨髄バンクのことを調べていたのですが、その中でユースアンバサダーの存在を知りました。退院後すぐに骨髄バンクに申し出の電話をしたのですが、「術後の検査を終えてからまた連絡してほしい」と言われてしまいました(笑)個人的にはほとんど提供に苦労を感じなかったので、ドナー登録が「すごい」ではなく「ふつう」の世の中になっていけばいいなと、そういう想いを持って活動をしていきたいです。
骨髄バンク 
ユースアンバサダー
柴田 怜 さん
2001年生まれ。埼玉県出身。16歳のときに献血を始め、18歳でドナー登録をする。22歳になり就職活動中に適合通知が届く。昨年無事に骨髄採取を終え、現在は骨髄バンクのユースアンバサダーとして活動中。
多趣味で活動的な柴田さん。
海外でヒッチハイクの経験も!
家族の余裕も
提供の支えに
適合通知が届いたときは外出していて、家族からのLINEで知らせを受けました。ドナー候補者に配布されるパンフレットを見た姉が「痛そう!痛そう!」と眉間にシワを寄せていましたが、基本的に家族はみんな楽観的なので、快く提供の承認をしてくれたのを覚えています。最終同意のタイミングでは、母が担当の医師と、コーヒーの話題で盛り上がるくらいの余裕を見せていました(笑)
公務員試験を2日後に
控えた提供手術
ベッドで目が覚めた時は「あれ、もう終わったんだ」といった感じで、多少の発熱はありましたが、腰も手で押すとすこし痛いくらいでツラさはほとんどなかったです。実は退院の翌々日に公務員試験を受けたのですが、とくに支障もなく、無事に合格することができました。なんなら、その後の面接で提供エピソードを披露したことで面接官の方の心を掴めた気がします(笑)
入院中の様子
患者さんのことを思い、
勇気ある一歩を。
提供してみて感じたのは、おそらく世の中の人が思っているよりも提供のハードルは低いんじゃないかな、ということです。
もちろんその人の立場や環境などにもよって難しさは変わってくることもあるとは思いますが、「このくらいのことで人の命が救えるなら絶対にやった方がいい!」というのが自分が感じた率直な印象です。
すでにドナー登録をした人の中にも、不安を感じている人はいるかもしれません。でもそんな時は、骨髄バンクの方や医師の方に相談してみたり、自分のように実際に提供を体験した人の話を見聞きするだけでも、きっと抱えていた不安が和らいだり、前向きな気持ちになれるはずです。
もしも自分の家族や友人が患者だったら、そう思って勇気ある一歩を踏み出してほしいと思っています。
連絡が取れないことで、
命を救う機会を
失ってしまうかも
しれません。
携帯電話番号が変更になった方、
まだ登録されていない方は速やかにお手続きください。
適合通知はSMS(ショートメッセージサービス)でもお送りします。
ドナー登録者の登録情報の変更は日本赤十字社へ。

それ以外のお問い合わせは
日本骨髄バンク(03-5280-1789)へお願いします。
みなさまから寄せられた
骨髄バンクに関する素朴なお悩みや疑問に
その道のプロや専門家がお答えします!
昔から痛みに弱いのですが、骨髄採取と末梢血幹細胞採取では、それぞれ痛みの種類や大きさにどのような違いがありますか?
どちらの採取方法においても、基本的に痛みなどは軽微なことが多いため、あまり心配しすぎないでください。
まず、骨髄採取について、術後に腰の重さやわずかな鈍痛を訴えられる方はいますが、手術当日に症状が消退される方が多いです。万が一、痛みが強い場合には、必要に応じて鎮痛剤の投与を行うなどの対応を行います。
続いて末梢血幹細胞採取に関しては、手足のこわばり、口のまわりや手足のしびれを認めるドナーさんがたまにいらっしゃいます。血中のカルシウムの低下が原因で生じていることが多く、カルシウムの点滴を行うことで対応をいたします。
どちらの採取方法においても痛みやしびれは軽微なことが多いですが、もしどうしても不安な場合は、骨髄バンクをはじめとした採取に関わるスタッフにいつでも相談してくださいね。
東京衛生
アドベンチスト病院
血液内科 医長
瀬戸愛花 先生
骨髄バンクや提供に関するお悩みを募集しています。こんなことまで質問していいの?という内容も、幅広く受け付けております。お気軽にお送りください。
※件名に「バンクニュースお悩み相談」と入力ください。
お悩みを募集
プロジェクトオレンジとは?
若い世代のドナー不足をはじめとする骨髄バンクが抱える様々な課題解決のため、「ドナー登録」や 「提供のために仕事や学校を休むこと」がもっと当たり前に、もっと応援され、もっと感謝し合える社会となることを目指す、新しい取り組みです。
つなげプロジェクトオレンジ
公式サイトはこちら
スワブってなに?
骨髄バンクのスタッフたちが、
今気になっているテーマや話題について
気ままに語り合います!
みなくち
骨髄バンクメンバーになり2年。
趣味は合唱と漫画読み。
おおうえ
骨髄バンクメンバーになり2年。
趣味はランニングとカラオケ。
スワブについては
Xもご覧ください!
じつは!早ければ2026年にスワブという新しいドナー登録の方法が導入されるかもしれないんです 🥺
綿棒で簡単に採取できちゃうらしいですね!
そうそう、ほっぺたの内側を綿棒でシュシュっとこすって、あとはポストから送付するだけ!
すごい、、、 😮
もちろん出血もなければ、痛みもないんです。
地方だと献血ルームも少なくて困っていた人もいるだろうし、ポストから送付できると登録のハードルもだいぶ下がりますね!
いや、ほんとにそうなんです 😊
ドナー登録が身近になるまたとない機会!
この機会を最大限に活かせるよう、私たちも支援の輪を広げる活動にいっそう力を入れていかなきゃですね! 🔥
そうですね、がんばっていきましょうー! 💪✨
ご寄付のお願い
移植を待つ患者さんのためにお力を貸してください
ドナー登録者の
大卒業時代がやってくる?!
骨髄バンクへの登録には年齢制限があり、満55歳の誕生日で登録取り消しになってしまいます。
15年以内には、現在の登録者のうち約60%の方々がいなくなってしまうという危機的状況に…!
骨髄バンクは、多くの方に骨髄提供について知って頂き、特に若い方にドナー登録を考えて頂けるよう活動しています。
課題解決のため、いただいたご寄付が
ドナー登録者を増やす活動に役立っています。
みなさまからいただいたご寄付は、ドナー登録会の開催や普及啓発資材の作成などに使用しております。より多くの患者さんに移植の機会を届けられるよう、みなさまの温かいご支援をお待ちしております。
寄付にはさまざまな方法があります
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寄付の詳しい方法などは、こちらからご覧ください。
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