患者さんが悲しい思いを
しないために。
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もっとドナーがいれば、助かる命も増えるはず。
友人や若い人たちにも、登録を薦めたいです。 -
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ドナー登録のきっかけを教えてください。
大学で献血について学ぶ授業があり、献血ルームに行きました。そのとき、説明員さんに声を掛けられたのがきっかけです。小さい時から人を助けたいと考えていたので、すぐに「やりたい!」と思い登録しました。
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適合したときのお気持ちは?
患者さんのことを考えると、「痛いかな?」と心配している場合じゃないな、って。大学での保育の実習も大変な時期ではあったのですが、欠席してでも提供したいと思いました。
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それは大変でしたね。大学にも相談したのですか?
病院からオンラインで授業を受けられないか、補講をしてもらえないか、などを先生に相談しました。ドナー公欠制度の他にも、住んでいる県のドナー助成制度を教えてくださるなど、とても親身になって考えてくれて、安心して提供にのぞむことができました。
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最終的な提供ドナーに選ばれたときのお気持ちは?
せっかく登録しても一度も候補にならない人もいるので、ラッキーだと思いました。私が少し入院するだけで、患者さんを救える。(体験談で見た)痛みなどへの不安よりも、その思いの方が強かったです。
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実際の採取のときはいかがでしたか?
採取前の数日間、投与されるG-CSFの副作用による苦痛はほとんどありませんでした。採取には5時間もかかったのですが、医療スタッフの方がずっと話しかけてくれたので、短く感じました。採取中にしびれの症状が出ましたが、カルシウム剤ですぐ良くなりました。
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提供にあたってご家族の反応はいかがでしたか?
母は「あなたがやりたいのなら」。父は「まあ、良いのではないか」と言ってはいたものの、実は心配が強かったようです。いやな顔をせずに送り出してくれた両親には、とても感謝をしています。
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実際に提供を終えて、いま思うことを教えてください。
自分や自分の家族が病気になったとしたら、ドナーがいてくれたらすごく嬉しいと思います。もっとドナーがいれば、助かる命も増えるはずなので、友人や若い人たちにも、登録を薦めたいです。
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Profile
19歳でドナー登録。20歳で初めてドナー候補になる。患者さんの都合でコーディネート終了が2度続いた後、3度目の適合通知を受け取り、在学中の21歳の時に末梢血幹細胞提供。現在は幼稚園教諭として活躍中。
貞静学園短期大学
ドナー公欠制度導入
約1週間の採取時入院に加え、術前健診、術後健診についても学校を休む必要があることを知りました。「選ばれて大変なことをするのだから、学生には安心して行ってきてほしい」と思い、学校側に提案し、ドナー公欠制度を導入することができました。
骨髄バンクから学校関係者の皆様へ
授業や出席日数を心配せずに提供のため大学や専門学校を休むことができる「ドナー公欠制度」を、導入しているのは、全国でわずか11校のみです。移植を待つ患者さんのため、学校関係者のみなさま、ぜひ導入をご検討ください!
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提供いただけたこと、本当にありがたいです。
おかげさまで元気に過ごせています。 -
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病気が発覚したきっかけは?
2018年の年明けから徐々に不調を感じ始めるようになり、3月に入ると、些細なことでの出血や疲労感、息切れなどの症状が出てきました。3月中旬に発熱したときは解熱剤を飲んでも熱が下がらず、これはおかしい、と思い病院で検査を受けたのがきっかけです。
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診断を受けたときのことを教えてください。
「白血病」と聞かされた時「治りますよね…?」ととっさに恐る恐る尋ねたのを覚えています。その後、確定診断検査のため処置室で待っている時に「死ぬかもしれない、いやきっと死んでしまう」という診断の実感というか不安や恐怖が襲ってきて涙が止まらなかったです。ただ、「病名が分かって良かった」「治療法がある」という安心感もありました。また主治医が「治るためにがんばるんだよ」という姿勢でいてくれたことはとても救われました。
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治療でつらかったことは?
まずは周りの人の生活を変えてしまうことです。妻はサポートに回らなければいけなくなるし、子どもを授かることができなくなるかもしれない。両親、友人、仕事の関係者といった周囲へ影響を与えてしまうことがつらかったです。
他にも無菌室での「人に会えない生活」は自己実現もできず社会から距離を置かれた感覚でつらかったです。また抗がん剤治療のたびに高熱や倦怠感が続くこと、脱毛、爪の剥がれ、激しい頭痛などの副作用を経験しました。さらに移植をしても50%という治癒率を移植前に提示されたときは、改めて生きていくことの意味を考えなおしました。 -
周囲からのサポートは?
診断を受けたときはショックを受けていた家族でしたが、入院中は励まし続け献身的に支えてくれていました。 友人、同僚、親族から千羽鶴をいただき、無菌室の枕元に飾っていました。友人や同僚、後輩たちからの寄せ書きやメッセージ動画、何でもない連絡など、こういった一つひとつが、社会との繋がりを感じさせてくれて、生きる活力・治療の活力になっていました。また会社の制度が充実していたため、私のケースでは3年ほどの長期休業が認められました。そのため、社会復帰に関しては安心して治療に臨むことができました。
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骨髄液が届いたときの心境は?
本当にありがたいな、というのが第一でした。医療の進歩と人の血が通ったシステムに感動しました。一方で、移植にはリスクも少なからずありますし、相当の副作用もあると説明を受けていたので、不安と期待が入り混じった感覚でした。
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移植経験を通じて思うことは
移植を待っていても受けられない人もいる中で、早くに適合者がみつかり移植に踏み切れました。そして今、元気に健康的に生活できています。病気への罹患は変えられないことですが、結果的に幸運だったなと感じています。私のようなケースが1件でも増え、一人でも多くの人が助かることを願います。改めて移植のために多くの人が関わり、支え合う社会のしくみに感謝しています。今後もこのしくみが多くの人の協力を集めながら続いていってほしいと思います。退院後に投稿したSNSを見て、後輩が「骨髄バンクに募金しました!」と言ってくれたことも嬉しかったです。
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今はどういった生活を送っていますか?
元気に仕事に復帰しています。妊孕性の温存をしていたので移植後1年半で子どもを授かり、さらに去年双子も誕生して、想像もしていなかった5人家族になりました。育児休暇を取るなど、育児と仕事のバランスをとらせてもらっています。
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Profile
31歳の時に急性骨髄性白血病と診断。31歳で骨髄バンクを介して骨髄移植を受ける。現在は病状も落ち着き仕事復帰。
企業に聞く!
ドナー休暇制度導入
日東精工株式会社
人事総務部
布川 貴英部長より
共に働く仲間であった佐藤くんの罹患と復職、本人と社内のダイバーシティ推進プロジェクトでの提案をきっかけに、2021年12月就業規則に特別休暇を新設しました。明文化し周知したことで、従業員がドナー提供する際の就業上の負担が軽減され、ドナー登録や提供がしやすい環境づくりが進んだと感じています。導入以降、ドナーの実績はありませんが、制度を使い確認検査のフェーズまで進んだ従業員もいます。これからも、社員の社会貢献活動への積極的な参加を促進していきます。
日東精工株式会社
人事総務部
布川 貴英部長より
若い世代に届け!新CM&ポスター
「骨髄くんからのお知らせ。」
2023年度「ACジャパン」支援キャンペーンが7月1日より始まりました。真っ白で不思議な形の「骨髄くん」が、ドナー登録者減少の危機と、若い世代のドナーの必要性を訴えます。骨髄くんの人形制作は、NHK教育番組やCMなどを数多く手掛ける人形制作会社「スタジオ・ノーヴァ」。
骨髄くんの声は「進撃の巨人」や「僕のヒーローアカデミア」をはじめ数多くの作品に出演する人気実力派声優の「梶 裕貴(かじ
ゆうき)」さんが務めます。
キャスト・スタッフが一丸となり、若い世代に届くよう制作しました。
見かけたらぜひ #骨髄くん でお知らせください!