骨髄バンクとは
骨髄バンクとは
骨髄バンクは、白血病などの血液の病気で造血幹細胞(血を造るもとになる細胞)の移植を必要とする患者さんと、健康な造血幹細胞を提供してくれるドナーの方をつなぐ公的事業です。
ドナーが見つかる確率は、血のつながりがなければ数百から数万分の一。骨髄バンクで移植を受けられる患者さんは、希望者の半分程度にとどまります。
すべての患者さんがチャンスを得るためには、ひとりでも多くのドナー登録が必要です。
骨髄バンクを必要とする主な疾患
白血病 | 血液をつくる細胞の異常でがん化した血液細胞だけが増え、正常な血液がつくられなくなる病気。 |
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再生不良性貧血 | 血液をつくる細胞の機能が低下し、血液成分が極端に少なくなる病気。 |
このほか、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、先天性免疫不全症、代謝異常などがあります。
そのうち、通常の抗がん剤などの治療では治らない患者さんが、命をつなぐために骨髄バンクを必要としています。
移植とは
造血幹細胞移植とは
血液の病気のため造血幹細胞が働かず健康な血液を造れなくなると、貧血になったり感染症から身を守れなくなったりします。
「造血幹細胞移植」は病気の造血幹細胞を健康なものに置き換える治療法です。
造血幹細胞をどこから採取して移植するかによって「骨髄移植」、「末梢血幹細胞移植」、「さい帯血移植」があり、骨髄バンクでは骨髄移植と末梢血幹細胞移植を行っています。
骨髄移植とは
造血幹細胞は骨の内部の「骨髄」にあり、赤血球・白血球・血小板などの血液成分を作り出しています。
骨髄移植は、ドナーの腸骨という大きな骨に針を刺し、骨髄から造血幹細胞が含まれた骨髄液を採取して、患者に移植する治療法です。
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末梢血幹細胞移植とは
白血球を増やす薬(G-CSF)を注射すると、骨髄中の造血幹細胞が増え、全身を流れる血液(末梢血)にも流れ出します。これを血液成分を分離する機器を使って採取し、患者に移植するのが末梢血幹細胞移植です。
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移植成功には、H L A適合がキーポイント
移植のための造血幹細胞は誰のものでもよいわけではなく、患者とドナーのHLA(白血球の型)が適合していないとうまく行きません。
HLAは両親から受け継ぐため、一致する確率は兄弟姉妹で4分の1、血のつながりのない人では数百から数万分の1。そのため1人でも多くのドナー登録が必要となります。
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移植の実際 つらい副作用を乗り越えて
移植の前には、抗がん剤や放射線などを使って病気になった細胞を破壊し、提供された細胞を受け入れる準備をします(移植前処置)。前処置はとても強力な処置のため、患者さんには吐き気や下痢、臓器へのダメージなどの副作用が起き、血を造る機能や感染に対する抵抗力も失くした状態になります。
ドナーの方から提供された造血幹細胞は、患者さんの静脈から点滴で注入されます。
ドナーの細胞が、患者さんの身体の中で新たな血液を安定して造り出し、移植後の副作用や合併症から順調に回復すれば退院となります。
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