人材開発マネジメント会社で組織開発コンサルタントとして活躍する宮崎さん。自らの骨髄提供が患者さんにとっては第二の誕生日となったことを知りました。「誰かの力になれる」という喜びと感謝の思いを綴っていただきました。
(この体験談は、日本骨髄バンクニュース第53号[2018年12月5日発行]でもご紹介しています)
PROFILE
宮崎圭介さん
今でも日々思い返すことは、患者さんに対する感謝の気持ちです。麻酔から覚めた瞬間「また、やりたい」と思ったほど、順調過ぎるドナー体験でした。手術が終わりほどなくして、骨髄を提供した病院の看護師さんからお手紙をいただきました。「今日という日が、患者さんにとって、第二の誕生日になります」その一文に心を打たれました。私のように不摂生を続けている人間でも、誰かの力になれる。喜びと感謝の気持ちが満ち溢れました。未来に対する希望が自然と沸いてきました。今でもその想いは変わりません。医師と骨髄バンクコーディネーターの皆さんが、私の想いを支えてくれました。私と喜'揺'哀楽を分かち合い、献身的にサポートしてくださいました。
ドナー登録したきっかけは、25年前にほぼ同い年の従妹が白血病で亡くなったことです。遠くに住んでいて何もできず、もどかしい気持ちだけが残りました。その悔しさを埋めるため、沖縄でドナー登録をしたものの、16年以上適合することはなく、45歳を過ぎて突如オレンジ色の封筒が届きました。医師もコーディネーターさんも常にドナーの立場に立って接していただき、何の不安もなく当日を迎えることができました。
家族や会社の積極的な応援も、私にとってはうれしい発見でした。食事や生活面では、家族全員が私の決断を支援してくれました。会社では、一週間近い休暇をとる仕組みが整っていなくても、特例として「裁判員制度」の休暇取得規定(有給無事故)を準用してもらいました。
実施を決断するまでに、様々なハードルがあるかと思います。それでも、決してあきらめないでほしい。ドナーの経験は、私にとって人生最大の宝物です。今忙しいからと迷っている人も、怖いなと思っている人も、これを読んでもうちょっと前向きに考えてみようかな、と思っていただけるとうれしいです。