「当たり前の日常を送っているときに、ふと幸せだなって感じます。」2023年にフィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病を発症した小林さん。移植をして約1年が経ち、これまでの闘病生活とこれからの目標について語ってくれました。
PROFILE
小林 弘人(こばやし ひろと)さん
兵庫県在住。
2023年フィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病を発症。
現在会社に復職。
入院して1ヶ月後、移植コーディネーターさんが来て、骨髄移植が必要だということを知りました。兄のHLA型(白血球の型)は適合せず、骨髄バンクでドナーさんを探すことになりました。幸いなことに患者登録をして1ヶ月で適合する方が見つかりました。その知らせを聞いたときは、感謝しかなくて泣きましたね。
ただ、移植はかなりきつかったです。一般病棟から無菌室に入ったんですけど、無菌室自体が異質な存在で怖さを感じました。
移植前処置のため、大量の抗がん剤と、全身への放射線治療で、一気に食欲がなくなって、TVから流れる食べ物のCMを見るのも無理になりました。無菌室にいた1ヶ月は何も食べられませんでした。
ドナーさんの骨髄液が届いたときはほっとしました。その時は新型コロナウイルスも流行していましたので、周りの人たちからも「適合するドナーが見つかっても、提供されるかは最後の最後までわかりません」と言われていたので、無事に来たときは本当にほっとして、看護師さんたちとみんなで喜びました。
移植後は40度の高熱が2週間ぐらい続いて、ひどい下痢と、のどの痛みは想像以上の地獄でした。ものを飲み込むとすごく激痛で、血が出たりしてしまって、体は尋常じゃないくらいだるくて、とにかくベッドに寝たきりでとても苦しかったです。