みなさまへの理事長からのメッセージ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延下、皆様におかれましてはそれぞれのお立場で、様々な困難を排してお仕事、ご家庭生活、時には闘病生活を続けていらっしゃることと思います。
4月8日の7都府県に対する国の緊急事態宣言、その後複数の府県における知事の同宣言に続き、ついに4月16日先の7都府県に加えて40道府県全てに対する緊急事態宣言が発令されました。これは全国的に未だ拡大し続けているCOVID-19を何とか収束させるべく国が取った施策であり、国民一人一人が協力する必要があります。
しかしながらCOVID-19の蔓延下においても、白血病など移植を必要とする患者さんは変わらずいらっしゃいます。現在、骨髄バンクを介した移植以外に臍帯血移植やHLA不適合血縁者間移植も可能ですが、疾患等、個々の事情によって、なお骨髄バンクドナーからの移植を強く望む患者さん・移植チームが多くおられます。
現在日本骨髄バンクは、中央事務局、理事会、各種委員会の主要メンバーと、危機管理委員会を形成し、厚生労働省と密に協議しながら事に当たっています。ドナー並びにそのご家族の安全・安心、骨髄バンク職員及び関係者の安全を図りつつ、患者さんが安全に移植できる方策、多忙を極める病院の負担を少しでも軽減できる方策を考え、実践しつつあります。
1. 採取・移植が既に決定した事例に関しては、3宣言に関わらず採取・移植を行っています。ここでは採取が諸々の条件により困難である可能性を考え、それまでは原則禁止であった骨髄液、末梢血幹細胞液の凍結保存(この技術の有効性、安全性は血縁者間移植において十分確かめられています)の規準を緊急避難的措置として大幅に緩和し、ドナーの方が安全に採取できる時・場所において採取、移植チームはそれを受け取ってから患者さんの移植前処置を始めるという方策を取ることも可能としました。
2.最終同意面談に関しては、4月8日付7都府県に対する宣言後、当該地域において一時見合わせておりましたが、本日4月28日をもって再開しました。ここでは電話、WEB会議システムを導入するとともに、病院外の会議室を利用するなどして、ドナー・ドナーご家族、立ち合い人並びにコーディネーターがCOVID-19に感染することが無いようにしています。
3.確認検査に関しては、今、COVID-19の感染のリスクが否定されている医療機関での採血実施に向け調整中です。
4.患者登録は従来通り受け付け中です。また、DLIも受け付けておりますが、調整できない場合があることをご了承ください。
以上、現段階における日本骨髄バンクの業務実施状況をお知らせしました。
日本骨髄バンクは病院等と同じ患者救命機構です。COVID-19蔓延下でも病院がその業務を閉じないように、骨髄バンクも又、業務を閉じることはしません。我々は東日本大震災をはじめとする過去の大きな困難を乗り切ってきました。今回も又、皆様方と力を合わせて骨髄バンクの責務を果たしたいと思っています。
末尾になりましたが、この困難な状況下にご教示、ご支持し続けて下っている、厚生労働省、日本赤十字社、6さい帯血バンク、日本造血細胞移植学会、日本造血細胞移植データセンター、骨髄採取継続を認めてくださった日本麻酔科学会、そして骨髄バンクの造血幹細胞移植・採取認定病院とすべての関係者の皆様に心よりお礼申し上げ、日本骨髄バンクからのメッセージといたします。
皆様方のご健勝を祈ります。